NTECPASSIVE DESIGN

Staff Blogスタッフブログ

冬の室温目標は18℃以上

第5,475回 設計の谷口です。

昨日の飯田のブログでもありましたが、今度の火曜日や水曜日あたりは相当冷え込むようですね…。
寒さの影響で給湯器が壊れてお湯が使えなくなるケースや、停電で電気が使えなくなり暖房ができなくなるケースは、心身にも大きなダメージを与えてしまいますので注意が必要です。

前者のお湯問題については、冷え込む夜間の間に例えばキッチンなどの混合水栓のお湯側からちょろちょろと水を出し続けておきましょう。
給湯器のリモコンはOFFになっていても構いません。
シングルレバー水栓の場合は、お湯側にレバーを振り切って作業を行ってください。
ご家庭のお湯は、給湯器を経由して水栓から出てくるようになっていますので、このような対策が効果的です。
私も以前、最大級の寒波がやってくるぞーという時にはこの対策を行い、何事もなく乗り切ることができました。

給湯器にお風呂の追い炊き機能がついているご家庭であれば、次に挙げる方法を実践されてください。
方法は簡単で、お風呂の残り湯を循環金具より5センチほど上まで貯めておくだけです。
あとは給湯機側のポンプが自動的に浴槽内の水を循環するため凍結防止対策になります。
私の家のお風呂は追い炊き機能が無いので、キッチン水栓の方で凍結防止対策を行いました。

また、停電で電気が使えなくなってしまうと、エアコンや電気ヒーターやホットカーペットなどの暖房機器が使えなくなるので、室温が低下してしまい心身へのストレスも増大します。
しかしながら、暖房機器は灯油やガスでも代用が効いたりしますので、万が一に備えてストーブを準備しておくことも大切かもしれませんね。
断熱気密性能の高いお住まいでしたら、「建物の保温性能が高い」と言い換えることが出来るわけなので、室温が低下するスピードを大幅に遅くすることができている状態です。
停電の時間帯にもよりますが、もし日中の停電であれば、天候を見ながら直射日光をできるだけ室内に入れ込むよう生活しましょう。
太陽からの熱で室温が上昇し、その熱を夜間も大切に使うことをイメージしていただきたいです。
停電時にストーブを使う状況になってしまった場合は、必ず窓開け換気も定期的に行ってください。
室内の空気が汚れることで寒さとは別の危険性が発生しますし、高断熱高気密住宅であればなおさらです。
そして、フリースを羽織ったり着るものを一枚増やすなど、着衣量を増やすという原始的な方法もとても重要になってきますので、そのあたりの準備もしっかりとしておきましょう。

1月17日(火)には、NHKのクローズアップ現代で「実は危ない!ニッポンの“寒すぎる”住まい」というタイトルで、寒い家がもたらす様々な悪影響について紹介されていました。


世界保健機構WHOが2018年に「冬の室温目標は18℃以上」と勧告しているにもかかわらず、日本の家のリビングの平均室温を調査すると約9割で18℃未満の状況という調査結果の紹介は、これから家を建てる方々にとってもショッキングなデータなのではないかと感じました。
他にも、実際に寒い家で暮らして命を落としそうになった方のインタビューがあったり、「採暖(さいだん)」という日本特有の文化がもたらす健康面での悪影響の紹介、そして何よりもこのような寒い家で暮らすこと自体が、心筋梗塞・心不全・動脈硬化などに陥るリスクが高いという状況を「生活環境病」という表現で指摘していたのは、大変印象的でした。

昨年お引き渡しをしたとあるお住まいにおいて、年始の温湿度測定にご協力いただきました。
結果から先に申しますと、10日間の測定で寝室の最低室温は18.3℃で、平均値は20.5℃でした。
ちなみに寝室は直射日光が当たらない場所だったので、日あたりの良いLDKの北側に配置し、暖められた空気が寝室にも届くような間取りにしています。
また、パッシブ冷暖(床下暖房システム)の稼働時間帯は、朝2~3時間程度、夕方4~5時間程度のようで、寝室で就寝する時間は稼動していないにも関わらず起きる時間帯は室温が約20℃あるような測定結果でした。
お客様も以前のお住まいとの違いに大変感動されており、私達も大変嬉しくお話を聞かせていただき、建物性能の大切さを実感いたしました。

寒くなるこの季節は、私たちにとってはお住まいの温湿度などとても貴重な情報を収集できる季節でもあります。
ご協力いただいた貴重なデータを整理してホームページなどでも情報提供できるよう努めてまいります。

 

 

 

 

 

Category /

Tags

Archive

私たちの最大のミッションは、「お客様に幸せになっていただくこと。」

エヌテックの家づくりへのりをお届け。気になる技術・仕様などをより深く掘り下げます。