寝室のあれこれ
第5,556回 設計の谷口です。
寝室という場所をどう設計するか、色々と試行錯誤しながら日々手を動かしています。
例えば、こちらのお住まい。
勾配天井の低い方にベットの頭が向くようなレイアウトとすることで、就寝前に天井を見上げた時に落ち着けるのではという狙いがあります。
また、頭の横にある窓の額縁をスーッと伸ばすことで、携帯やメガネやティッシュを置いたりできるちょっとした棚になっています。
お客様が購入された木のベットも、室内の木の部分と色合いが揃っており、そのおかげでグレーのアクセントクロスが空間を引き締めていると思います。
そのグレーのクロスの所にくるコンセントカバーは色調を合わせており、物干しワイヤーも黒い本体を選択しています。
南面の大きな窓は、とても景色のいい場所でもあるので、引き違い窓のタイプにも配慮しました。
片方のガラス面だけが大きくなっていますよね?
窓には木製のブラインドを取り付けているので、起きるタイミングで朝日が入るよう羽根の角度を調整しておけば心地よい目覚めを演出することも可能です。
私の設計では、子供部屋よりも寝室の方が気持ちの良い場所にレイアウトすることが多いです。
誰よりも早起きして家族のために朝の支度をする親のために、心地よい目覚めを提供することが設計者にはできるのではないかと思っているからです。
また、子供は将来家を出て行き部屋を使わなくなる可能性もあるのであれば、親の寝室を優先的に良い場所に配置したいと思っているからです。
ただ、寝室にも様々な要望がある事も事実です。
夫婦別室の寝室というケースもありますし、子供部屋を優先して日あたりの良い場所にという要望もあったりします。
ベットでくつろぎながら映画を見たいという話をいただいたこともありますし、畳敷きの小上がりに布団を敷くパターンもあったりします。
どのような寝室で毎日の寝起きを繰り返していきたいか?
いざ話し合ってみると夫婦間で意見の相違や新たな発見があったりするかもしれませんね。
私が寝室を設計する際に基本としている作法もあったりしますので、このあたりの話はまた別の機会にご紹介したいと思います。