不動心
第5,604回 設計の谷口です。
昨日の広島には、深い悲しみとなる訃報が届きました。
カープのレジェンド、北別府学さんの永眠…。
カープ一筋、通算213勝。1試合あたりの四球率1.89個はまさに「精密機械」。
座右の銘は、「不動心」。
1980年代で最も勝利数の多いピッチャーという称号もありつつ、セ・リーグでは通算被本塁打が一位という記録もあるそうです。
本塁打を打たれてもなお相手バッターに立ち向かっていく姿勢を崩さず、カープ史上最多の勝ち星をファンに届けてくれた英雄は、65歳という若さで旅立ってしまわれました。
私は、2015年11月22日に、北別府さんにお会いしました。
「北別府学と過ごすカープファン大忘年会」にて。
その年のカープは、143試合目の最終戦で敗戦しリーグ4位になるという結果に終わり、ファンにとってはぶつけようのない悲しみのモヤモヤした感情を抱いたまま、この忘年会に参加したことを憶えています。
北別府さんは、テレビ中継の雰囲気同様、OBとして悔しい気持ちや厳しい意見など、でも愛のある叱咤激励を話しておられました。
そして、2014年8月に広島で発生した豪雨災害のボランティアの話や、ご自身が関わられた農園の話などもあり、自らが行動することで人々の気持ちを動かしていく姿勢というものを、きっとお伝えしたかったのではと思っています。
その会では、参加者との記念撮影や握手も応じられており、とても大きく肉厚な手だったことがすごく印象に残っています。
その翌年からは、カープはセ・リーグ3連覇を達成。忘年会での叱咤激励もきっと勝利の一因だと思います。
213勝という通算勝利数は、当然ながらご自身の鍛錬の賜物であるにも関わらず、第一声がチームメイトに恵まれたおかげという発言もされていたそうで、周囲への感謝の気持ちがとても強いレジェンドの姿に、私も見習わなければならない点が多々あります。
我が家のカープ文庫には、「北別府 学 それでも逃げない」(2007年、グラフ社) がありますので、もう一度読み返して今の自分の立場で得られる教訓を学びなおしたいと思います。
それにしても、昨晩のカープは2-0で床田投手が無四球で完封勝利を達成するなんて、まさに北別府さんが乗り移ったかのような内容でした。
氏の背番号「20」を思い起こさせる2-0の勝利。
北別府さんの214勝目ですね。
心よりご冥福をお祈りいたします。