アルヴァ・アアルト 「マイレア邸」
第5,030回 設計の渡辺です。
少し前のブログで私の好きな建築家アルヴァ・アアルトのデザインしたスツールをご紹介しました。
今日はアアルトと、彼の作品の一つ「マイレア邸」をご紹介します。
アルヴァ・アアルトはフィンランドを代表する建築家です。
有機的なフォルム、素材、光の用い方が絶妙で、
多くの人を引き付ける作品を生み出し、20世紀の建築界に大きな影響を与えてきました。
私が特に印象に残っているのが「マイレア邸」です。
1939年にとあるご夫妻のために建てられたこの住宅は、木の可能性を追求し、周囲の自然と調和した建物です。
光を十分に取り込むように壁面から斜めに飛び出した開口や
白い壁面から木の雲のような曲線の庇、細い柱をルーバーのように用いて森と住宅を繋げています。
周囲の森を室内に取り込んだような空間が広がります。
天井や床には木を用い、ぬくもりを感じることが出来ます。
とても広い空間でありながら、細い柱などをいくつも設けることで柔らかく空間を仕切り、
なおかつ視線が周囲の自然に抜け、開放感も感じます。
学生の時にこの作品を目にして、とても感動したことを今でも覚えています。
なんとも言葉にはしづらいのですが…
派手ではないけれど、とても心地よく、温かみを感じ、落ち着く。
80年経ったとは思えないこの美しさに、さらに心を打たれます。
私は実際にこの場所を訪れたことが無いので、いつかこの空間に身を置いてみたいと思います。
過去の巨匠の作品は、現代でも参考になるアイデアがたくさんあるので、
ぜひ皆さんもそうした建築の世界をのぞいてみて下さいね。
※写真はインターネットよりお借りしました。