屋久杉板の座卓をテーブルに
第5,390回 設計の谷口です。
先日お引き渡しを行った熊野のH様邸では、ご実家で使われていた屋久杉の一枚板の座卓を再利用して、食卓テーブルを造作しました。
本日のブログでは、その製作過程をご紹介します。
屋久杉の一枚板。座卓の脚は、木の幹をそのまま使ったワイルドなものでした。
お客様との打合せの中で、新しく椅子を購入するので、その椅子の塗装の色に似た感じでテーブルも塗りなおして欲しいとオーダーをいただきました。
購入された椅子は、飛騨産業のSEOTOセミアームチェア(板座)で、材種はブナを選ばれ、塗装色はN5という品番です。
そのカットサンプルを手配して、私は家具職人との打合せに行きます。
元々の塗装の塗膜がとても堅く、ベルトサンダーでこすっても全く塗装が落ちません…。
次なる手段は、電動カンナです。
カンナなので、表面を削ることはできましたが、テーブル一面を地道に削っていくしか方法はありません…。
大変でしょうが、何とか頑張ってください!と職人さんにお願いして数日後。
屋久杉の美しい表情が!!
カンナで削ってヤスリをかけて全体の凹凸をなめらかになるよう、手の込んだ仕事を行っていただきました。
デコボコしている板の端もきれいに塗装が落とされています。
ここはカンナが使えないので、ディスクグラインダーを駆使して作業を行ったとの事でした。
そして、カットサンプルを見ながら塗料を調合していきます。
机は杉ですが、椅子はブナのためどうしても全く同じ色にはなりづらいですが、何度も調合を重ねながら色合わせを行っています。
塗装を乾かしてみるとやっぱり薄いなぁとか言いながら作業をしています。
このような工程を経てついにテーブルが完成しました!!
写真の椅子は、見学会用に事務所から持っていったものですが、とてもいい色身の食卓テーブルとなりました。
このようにして、思い出の品を新築時に再利用したりすることも、私たちの注文住宅では行っています。
職人たちの技術に支えられながら、楽しく家づくりをやっていきたいと思います。