スタバのデザインの奥深さ
第5,416回 設計の谷口です。
私が最近読んだ本です。
「STARBUCKS Store Design 日常に溶け込み、人や地域の思いをつなぐ」
皆様は、「スタバ」によく行かれますか?
私は広島に来て12年。これまで色々な現場に行く途中にスタバに立ち寄る機会がありました。
皆様のお気に入りのスタバはどこでしょうか?
この本を読んで初めて、「リージョナル ランドマーク ストア」と位置づけられるスタバがあることを知りました。
リージョナル ランドマーク ストアとは、日本の各地域の象徴となる場所に建築デザインされ、地域の文化を世界に発信する店舗の総称だそうです。
2022年11月12日現在、全国に28店舗が存在します。
広島だと、宮島にある厳島表参道店が該当するそうです。
リージョナル ランドマーク ストアの特徴として、訪れる人々がその地域の歴史や伝統工芸、文化、産業の素晴らしさを再発見し、その発見を通じて地域へ絆を感じられるよう、様々なローカルのデザインエレメントを織り込んでいます。
宮島の店舗では、地元の宮島ビールと提携して「宮島ブルワリー」が併設していますし、宮島の伝統工芸である木製しゃもじを使ったオリジナルのアートが飾ってあったりもします。
このアートが何を表現しているかは、ぜひ宮島の店舗に行って想像してみてください。
スタバでは、実は店舗ごとにアートのデザインが工夫されているそうです。
これまで、アート作品についてはそんなに注視して来なかったので、これからは各店舗ごとのアートにも注目して行こうと思います。
本を読んで気になった他のリージョナル ランドマーク ストアは、伊勢 内宮前店(三重県伊勢市)や川越鐘つき通り店(埼玉県川越市)などの、伝統的な町並みを意識して新築した店舗です。
(写真はスターバックスHPより)
伊勢の店舗では鬼瓦に、スターバックスのシンボルである人魚「サイレン」やコーヒーチェリー、アフリカ象やケツァールという鳥などのモチーフがちりばめられているそうです。
川越の店舗は、和のファサードの趣きも素敵ですし、店舗の奥に行けば、大胆なハイサイドライトや中庭なども魅力的な空間です。
本を読んで知れば知るほど、各地のスタバ巡りがしたくなりました(笑)
スタバといえばサードプレイスと呼ばれる、家でもオフィスや学校でもない第3の居場所を人々に提供した企業として認知されています。
その居場所も、国によって使われ方は様々なようで、一人で仕事をしたり勉強をしたりというのは日本人で特に顕著だそうです。
店舗が立地する場所的にどういう使われ方がありそうかを想像し、デザインに落とし込んだり、過ごしている時の視線をどうデザインして空間に落としこんでいくかなど、とても勉強になる本でしたので、家づくりという仕事にも応用していきたいと思います!!