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燃料費調整単価とゼロエネ住宅

第5,481回 設計の谷口です。

ここ数カ月で電気代の高騰がニュースでも大々的に報じられていますね。
実際に請求される毎月の電気代を見て驚いたり、ため息をつかれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
去年の同じ月よりも消費電力は少なくなっているのに、請求される電気代は数千円も増加しているといった現象が発生しています。

その最大の要因は、「燃料費調整単価」がここ数年で急上昇しているためです。

発電に使う原油、LNG、および石炭の燃料価格は、為替レートや市場の動きにより変動します。
そこで、「燃料費調整制度」というものがあり、その燃料価格の変動をあらかじめ定めたルールにより電気料金に反映させる制度になっています。
わかりやすい説明動画は下記のURLでご覧いただけますのでぜひご視聴ください。
電気料金の明細にある、再エネ発電賦課金についても説明があります。

https://api01-platform.stream.co.jp/apiservice/plt3/Nzc2%23NDkx%23280%23168%230%233FE600D9C400%23OzEwOzEwOzEw%23

実際に、燃料費調整単価というものがどれくらい上昇しているのかを、中国電力のケースで調べてみました。

2年前(2021年)の1月は、単価が-2.40円なのに対し、今年(2023年)1月の単価は15.02円にもなっています。

広島市の4人家族で1月の電気使用量の平均が643.2kWhというデータがありますので計算してみましょう。

2021年1月:643.2×△2.40=△1,543円
2023年1月:643.2×15.02=9,660円

ということは、同じ電力消費量でも2年前に比べて11,203円も今年は請求額が高いことになります…。
そりゃ、電気代高い!!ってなりますよね。

政府はこの状況に対して、電気・ガス価格激変緩和対策事業を発表し、中国電力のプレスリリースでは2023年2月の燃料費調整単価が15.63円からマイナス7.00円された8.63円になると書かれています。
ちなみに、緩和対策事業は2023年10月検針分までの予定です。
一次的でも補助してもらえるのは嬉しい側面があるかもしれませんが、省エネが普及していない状況の課題を先送りにしただけの制度であり、問題の根本解決に全くなっていないと個人的には感じています。

昨年お引き渡しをしたお客様(オール電化住宅です)から、光熱費や電力消費量などの貴重な情報をいただきました。
お住まいになってから9カ月間のデータをご紹介すると、その期間で電力消費量は合計1,546kWh、光熱費は62,247円なのに対し、太陽光発電の売電量は合計4,931kWh、売電金額は93,689円という数値でした。
しっかりとゼロエネルギー住宅になっていますし、光熱費高騰にも関わらず支払っている金額よりも入ってくる金額の方が上回っている状況です。
暮らし心地についても、以前の賃貸アパートに比べると格段に快適で驚くほどというご感想も頂戴しました。

やはり、まずは省エネで快適な住宅をつくることこそ、未来の世代にとっても豊かな財産を残すことができる、現代の私達がやらなければならない使命だと思います。

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