相続不動産の売却方法と注意点
第6,105回 不動産事業部の神田です。
「親から相続した家、どうすればいい?」
「相続したけど、売るべきか?それとも活用するべきか?」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
相続した不動産は、そのまま所有し続けることもできますが、管理が大変になる・固定資産税がかかる・将来売りにくくなる などのリスクもあります。
そのため、早めに売却を検討することも重要 です。
しかし、相続不動産の売却には 名義変更・遺産分割・税金 など、さまざまな手続きが必要です。
今回は、相続不動産をスムーズに売却するための 具体的な手順と注意点 を解説します。
1. 相続不動産を売る前に確認すべきポイント
まず、相続した不動産を売却する前に、以下の点を確認 しておきましょう。
① 相続登記(名義変更)は完了しているか?
不動産を相続すると、まず 「相続登記」 を行い、被相続人(亡くなった方)から相続人名義に変更 しなければなりません。
2024年4月から「相続登記の義務化」が開始
→ 相続したら3年以内に名義変更しないと、10万円以下の過料(罰金) が発生する可能性があります。
② 遺産分割は完了しているか?
相続人が複数いる場合、遺産分割協議 を行い、不動産の所有者を決める必要があります。
→ 「遺産分割協議書」 を作成し、相続人全員の合意を得ておくと、後のトラブルを防げます。
③ 住宅ローン・抵当権はあるか?
被相続人が住宅ローンを完済していない場合、金融機関と相談してローンの処理をする必要 があります。
④ 不動産の価値を把握しているか?
売却価格を決めるために、不動産の査定 を受けましょう。
→ 不動産会社に 「無料査定」 を依頼すると、相場を知ることができます。
2. 相続不動産の売却方法
相続不動産を売る方法には、主に3つの選択肢 があります。
① 一般的な売却(仲介)
不動産会社に依頼し、市場価格で買主を探す方法。
メリット:高く売れる可能性がある
デメリット:売却までに時間がかかる(3ヶ月〜1年以上)
こんな方におすすめ!
✔ できるだけ高く売りたい
✔ 売却を急いでいない
② 買取(不動産会社に直接売却する)
不動産会社が直接買い取る方法。
メリット:最短1週間で売却可能
デメリット:市場価格より2~3割安くなる
こんな方におすすめ!
✔ すぐに現金化したい
✔ 物件に問題があり、一般売却が難しい
③ 共有持分売却(共有名義の不動産)
自分の持分(権利)だけを売却する方法。
メリット:他の相続人と意見が合わなくても売却できる
デメリット:買い手が限られ、価格が安くなる
こんな方におすすめ!
✔ 他の相続人と意見が合わないが、自分の持分だけ売却したい
✔ 共有名義のまま放置したくない
3. 相続不動産売却時の税金と節税対策
相続した不動産を売ると、譲渡所得税 が発生することがあります。
① 譲渡所得税(売却益にかかる税金)
売却価格 ー(取得費 + 売却費用)= 譲渡所得
→ 譲渡所得がある場合、所得税・住民税が課税される
② 取得費が不明な場合の注意点
相続した不動産の「取得費(購入価格)」が不明な場合、売却価格の5%を取得費とする ルールがあります。
取得費が少ないと、税負担が増えるため注意!
③ 3,000万円特別控除を活用する
「相続した家を売るとき、3,000万円までの利益は非課税」 になる特例があります。
3,000万円特別控除の適用条件
- 被相続人が 住んでいた家を売る場合
- 相続から3年10ヶ月以内 に売却
- 昭和56年5月31日以前の旧耐震基準の家(解体すればOK)
この控除を活用すれば、税金を大幅に抑えられます!
4. 相続不動産売却時の注意点
相続人全員の合意を得る(遺産トラブルを防ぐ)
早めに売却を検討する(築年数が経過すると価値が下がる)
空き家を放置しない(特定空き家に指定されると固定資産税6倍のリスク)
5. まとめ|相続不動産をスムーズに売却するには?
☑ 相続登記を済ませ、名義変更をする
☑ 売却方法(仲介・買取・持分売却)を検討する
☑ 税金対策として「3,000万円特別控除」を活用する
☑ 相続人間でしっかり話し合い、トラブルを防ぐ
相続した不動産の売却には、さまざまな手続きや税金の問題が絡みます。
「いつか売ろう」と思って放置すると、管理費がかかるだけでなく、売却価格が下がるリスクもあります。
「売却するなら早めに」 を意識し、スムーズな売却を目指しましょう!