栃の式台
2025.2.15
第6,109回 設計の谷口です。
私の家族は、昭和2年に建築された蔵を住宅に改修して暮らしています。
2016年1月から暮らし始めて丸9年が経過しました。
主屋も昭和2年に建築されており、主屋と蔵とをつなぐ部分に私たち家族が主に使っている玄関があります。
ここの玄関では、以前のブログでもご紹介しましたがユダ木工の玄関ドアを使っています。
そして今回、玄関の式台をリフォームすることにしました。
なぜリフォームすることになったかというと、式台部分が白蟻の被害に遭っていたからです。。
主屋と蔵とをつなぐ部分は、約20年前に工事がされており、今回防蟻対策も同時に行いました。
新しい式台としてお迎えした材料は、「栃(とち)」です。
いつもお世話になっている野崎銘木店さんからとても上質な栃の木をご紹介いただきました。
作業当日、現場には越田大工が入っていただき既存の式台解体作業から行いました。
栃の木もきれいな超仕上げがされており、越田大工も念入りに寸法を確認しながらの作業です。
息子は特等席から越田大工の技をライブビューイング(笑)
丸一日の作業となってしまいましたが、まるで最初からそこにあったかのようなピッタリした納まりは感動的でした。
式台なので、足やお尻では毎日木肌を感じていますが、ついつい手で直接触れてスベスベ感を楽しんでいます。
現状はあえて何も塗装をせずに、自分たちが生活することで色艶を増していければと考えています。
目利き職人によって選ばれた本物の木を、熟達した技で大工さんが納めてくれたことに感謝しながら、毎日の「行ってきます」「ただいま」を大切にしたいと思います。