東京ブラックホールⅡ(NHKスペシャルより)
第4,264回 設計の谷口です。
先日の夜、そろそろ寝ようかなぁと思ったタイミングで、NHKスペシャルの再放送が始まり、衝撃的な映像の連続に思わず最後まで見てしまいました。
再放送のタイトルは「東京ブラックホールⅡ 破壊と創造の1964年」。
東京オリンピックが行われた年、1964年の東京が物語の舞台で、その当時記録された貴重な映像を見ることができました。
オリンピックまであと4ヶ月の時に行われたNHKの世論調査では、今年最も関心がある事でオリンピックを挙げた人はわずか2%…。
オリンピックよりももっと他の事にお金を投入するべきだという意見は60%にも及んでいたそうです。
例えば、当時はまだあたりまえだった汲み取り式の便所。
集めたし尿は東京湾の沖合いにそのまま放流。
工場排水の流れ込む隅田川は悪臭を放ち、工場の周辺では8割の子供の呼吸器に異常が見つかる。
建設ラッシュで労災は多発し、1日に10人以上の転落事故。
貧困のために売血に走り、ウイルスに汚染された血液輸血の横行。などなど…。
所得倍増を夢見て働いた当時は、現在よりも600時間も年間の労働時間が長かったそうです。
残念ながら、私は番組の再放送を見たので、もう一度見るにはNHKオンデマンドを利用する必要がありますが、この番組の特設サイトでも当時の貴重な映像の一部は見ることができますので、ぜひ皆様にも一度視聴していただければと思います。
NHKスペシャル 東京ブラックホールⅡ 破壊と創造の1964年
当時から56年が経過して開催される来年の東京オリンピック。
当時の映像とは見違えるほど、すさまじく発展した現代の東京。
オリンピックの好影響も喜ばしいことですが、東京が抱える様々な問題にも注視していく必要があると感じました。