400年の歴史を経て
第5,305回 設計の谷口です。
先日、土日でお休みをいただき私の実家がある福岡へ、家族で里帰りをしました。
コロナ禍でもあるので久しぶりの帰郷となりましたが、私の両親もすっかりおしゃべりできるようになった孫と存分に会話を楽しんでいました(笑)
そして、大学時代に研究活動でも大変お世話になった うきは市の集落まで足を伸ばしました。
その地域の民家調査を始めたことがきっかけで、棚田の保全活動などにも参加したりと、現在までお付き合いが続いています。
棚田オーナー制度に参加することで、毎年とても美味しい棚田米をいただくことも楽しみの一つです。
先日足を延ばした際は、私達も参加している「棚田まなび隊」の草刈り・草取り作業をお手伝いさせてもらいました。
息子も、最初は田んぼの周りでバッタ探しをしたり、田んぼを泳ぐイモリを眺めたりしていましたが、
終盤は刈った草を集めたり、田んぼに入って草取りを手伝ったりと普段はあまり体験できないことをやってとても満足気でした。
約400年前の人々がこの地区の棚田をつくったと伝えられています。
その年月を思うと、こうして私たちの子供がこの棚田で遊んだり貴重な体験を行っていることがとてもありがたく思いますね。
休日明けは体の疲れも残っていましたが、両親や大学時代の先生の元気な姿も見ることができ充実した休日となりました。
棚田まなび隊が活動している「つづら棚田」は、農林水産省がポスト棚田百選として進めている「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」にも認定されています。
全国271の棚田が認定されていますので、ぜひお近くの棚田を検索してみてください。
美しい里山の風景が世代を超えて継承されるためには、様々な課題や苦労が存在しますが、
このコロナ禍を経て人々の生活スタイルや価値観が徐々に変化していることが、何かしらの好影響を与えてくれるのではとも感じています。