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第4回 家に求められるもの<前編>
家を建てるからには、まずどんな家を建てたいのかをイメージしたり、どんな家が良い家なのか考えたりするものと思いますが、その前に『そもそも家とは何だろう?』と言う事を今回は投げかけて見たいと思います。
家の本質的な部分に迫ろうとすると、様々な機能を持つ現代の家よりも、原始の住居、更には動物や昆虫などが作る巣に目を向けるのが良い気がします。
巣に関しては、捕食を目的とした様な例外もありますが、巣作りの目的(繁殖や子育て、冬眠の為)を考えていくと、『周囲の(時には厳しい)環境や外敵から物理的に身を守る』と言う事が、これらに共通する点の様に思われます。
これは人間の家にも当てはまりそうで、これらを言い換えれば、快適さと安全を得る為と言う事になるでしょうか。
安全と言う部分は、現在の日本においては別のものに置き換わっている様ですが、例えばブラジルでは、家の価値はセキュリティーの高さで決まると言っても過言では無さそうでした。理由は書くまでも無いと思いますが、命と財産に関わる事なので、他の何よりも重要と言う訳なのでしょう。また、実際に襲われなくても、『襲われるかもしれない』と警戒する事が必要なら、家の中にいても全くリラックス出来ないでしょう。
日本にいる限りはなかなか思い至りませんが、本来快適とは『安全(安心)あってのもの』と言う事がこの例からは言えると思います。
日本の場合、誰かに『襲われるかもしれない』と警戒する必要はさほど無さそうですが、自然災害に対しては安心出来ません。耐震性については、法で規制されている事もあって最低限の性能は保証されてはいますが、それで十分と考えるか、不足かと考えるかは建てる側次第と言った所でしょうか。
現代は家に求められる事は大幅に増えてしまい、快適性と安全性だけ満足すれば良いと言うものでは無くなりました。
それで最近は色々なものに目が向くあまり、本来大切だったものが脇に追いやられている様な気が、家づくりを通じてしていました。
それで、そもそも家とは?と言う事を考える事で、家に本当に必要なものは何か?と言う事を考えて見た訳です。
次は、家の持つ別の面に焦点を当てたいと思います。