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第6回 SE構法~広々とした空間~

Ginger HouseはSE構法で建てられました。
SE構法については専門のサイトがありますので詳しくはそちらを御覧頂くとして、ここでは実際の所をGinger Houseを例に書いて行ければと思います。

SE構法を簡単な言葉で表すと、「強度の高い柱と梁を、極力強度を落とさない方法で結合して、堅牢な骨組みを作る構法」と言う事になるかと思います。
SE構法が木造でありながら広い空間を作る事が出来るのは、強度の高い構造用集成材とSE金物による接合によって柱や壁量が少なく済むからです。

その実際ですが、次の絵がGinger Houseの構造躯体の1階部分です。

(見づらいかもしれませんが)赤線で囲んだ部分が2階まで伸びる建物の中核部分です。
この部分は南北5m・東西8mあるのですが、この内側には柱がありません。
この為、2階の重量は大きな梁を通じて外周の柱によって支えられる事になるのですが、この柱の数も多くはありません。
特に南側については巾3mの大きな開口部が2つ並ぶ様に、スカスカな事が分かります。

それから絵の中の板の壁は耐力壁で、地震の横揺れや強風等の横からの力を負担する構造上必要な壁です。
躯体が堅牢だからか、この耐力壁についても多くは無い様に思えます。
尚、耐力壁には窓の様な大きな開口部は作れないので、この事は窓の設置位置の制限も少ないと言う事になります。
ちなみにGinger Houseは耐震等級3・耐風等級2で、これらが犠牲になっての話ではありません。

それでは次がGinger House 1階の間取りです。

Ginger Houseでは、中核部分の広い空間がほぼ丸々LDKとなりました。
実は初めのプランでは、アイランドキッチンの階段側に冷蔵庫が来る関係でこの部分に壁がありました。
しかし僕は冷蔵庫を狭いスペースに置きたく無かった事と、折角の広々とした空間を必要では無い壁や柱で埋めたくは無く、今の形にして頂いたのでした。
その結果、LDKは物理的には勿論ですが、室内に邪魔物が無い為に感覚的にも広々とした部屋になっています。

一方で、1階部分を丸々LDKにした関係で、普通は北側等の残った区画に押し込まれがちなトイレや浴室等が、LDKの周囲に張り出す形で配置されました。
この張り出し方も特徴があるのですが、その意図については後の回で触れたいと思います。

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