Technologyエヌテックの技術
デシカホームエア
湿度をコントロールする デシカホームエアの導入
快適な温熱環境を作る要素は2つあります。ひとつは「温度」、もうひとつが「湿度」です。
適切な室温であっても、湿度が高かったり低かったりすると、人は心地よさを感じません。梅雨の時期や、冬の乾燥した室内などを想像していただければと思います。
温度の調整はエアコンを代表とする冷暖房機器でもできますが、適切な湿度調整は難しいものでした。しかし、2012年に発売された「デシカホームエア(ダイキン工業製 DESICA HOMEAIR )」は、「水配管なしで換気と調湿が同時にできる」という画期的な第1種換気システム(給気給気ともに機械で行うシステム)だったのです。
最大の特徴は、調湿をするのに無給水加湿,、無排水除湿だということです。エアコンは、空気が熱を失って凝縮した水である「ドレン水」を外部に排水するために、配管が必ず必要になります。しかし、デシカホームエアにはこれがありません。夏は外の高温多湿の外の空気を取り込みながら除湿し、湿度を下げた空気を室内に供給。冬は外の冷たい空気を取り込み加湿してしっとりさせた空気を室内へ。デシカホームエアは、調湿換気システムですから温度調節は行ないません。冷暖房設備と同時に使うのですが、夏はデシカホームエアが湿度を下げることで冷房の設定温度を高めに、逆に冬は湿度が供給されることで暖房設定温度を低めに設定しても快適であり、結果として省エネにつながる仕組みです。
当社では、デシカホームエアがデビューして間もない頃、先進技術に対する興味と理解があるお客様との出会いがありました。住宅を適切な温熱環境にするには高性能であること、また、換気の必要性に対しても十分な理解をいただき、広島の個人住宅としては初めてデシカホームエアの設置が決まりました。夏本番となる前にお住まいが完成し、稼働させたのですが、湿度が低く押さえられた空気環境は身体への負担が少なく、空気が軽く感じられ、予想以上の効果でした。温度計が示す室温より体感温度は低く感じられ、運転音も気になりませんでした。
デシカホームエアの導入に際しては、配管経路の設計や、メンテナンスを考慮した機械室スペースが必要であるため、初期段階から設計に組み入れる必要があること、また、運転音、気流などを細かく配慮した計画が必要です。現在、広島に体感ができるショールームがないのが残念ですが、大阪にはダイキンが体感ルームを設けています。
エアコンの善し悪し、好き嫌いはありますが、ダイキンをはじめとする各メーカーが競っての技術進化は目覚ましく、今後のエアコンがどのようになって行くのかは興味深いと感じています。