下のグラフは(社)日本サステナブル建築協会による調査データ。住まいの快適さ度合いと家族の健康との関係について、6000軒のアンケートをまとめたものである。
自宅の快適さが高いと答えた人ほど、主観的健康感(1986年から「国民生活基礎調査(厚生労働省)」に取り入れられている指標で、主観的健康感が高いひとほど生存率が高いことが知られている)が統計的に有意に高いことがわかった。
このことから、住まいの快適があるほど、健康改善につながる可能性があることが考えられる。
引用:一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構HP(http://www.ibec.or.jp/CASBEE/)より
住まいを快適な温熱環境づくりには断熱性能が大きく関わる。下のグラフは断熱性能の高い家に転居した過程を対象にアンケート調査したものである。
転居した家の断熱性能が高いほど、手足の冷えが解消されたというのはもちろんのこと、肌のかゆみ、せき、気管支ぜんそく、アレルギー症状など、様々な体調不良の症状が緩和したという報告がある。
住まいを快適な温熱環境に保つことは、健康改善に大きく貢献していたことがわかる。
引用:断熱住宅.com(http://dannetsujyutaku.com/)より
日本の多くの住宅は、リビングに比べ廊下や水回りは約6度〜10度の温度差がある。ヒートショックとは、そうした暖かい部屋から寒い部屋、またはその逆というように、温度が急に変化したときに、血圧や脈拍が上昇または、下降して、心臓や血管に大きな負担をかけることである。最もヒートショックがおきやすいのは冬場のトイレや浴室といわれている。
浴室事故の70%は脳卒中などの循環器系障害によるもので、不幸にも入浴中におなくなりになる方は、年間推定1万人以上。その多くは高齢者です。また浴室事故が12月〜2月の厳寒期に集中していることも特徴的である。
ヒートショックを防止するためには、各部屋の温度差をなくすことがポイント。完全に均一にできなくても、温度差が小さくなれば危険は減る。その点、断熱性能が高い家は部屋単位ではなく家全体をくるむように保温するため、各部屋の温度差が少なく、暖かい脱衣室で入浴することができる。